2025/03/20
「日光を浴びる」は女性にとって難しい! ビタミンD生成のジレンマ
「紫外線=悪」と思っていませんか? シミ・シワの原因になると警戒するのは当然。でも、その結果、日本人の98%がビタミンD不足に。紫外線対策をしつつ、どうやってビタミンDを確保すればいいのか。 女性にとって悩ましいこのジレンマを解決する方法を探ります。

紫外線は悪者? それとも必要なもの?
私たち日本人は、80年代から「紫外線は肌に悪いから絶対NG!」とすりこまれてきました。実は紫外線には“いい面”もあります。特にビタミンDの生成には紫外線が不可欠。肌を守りつつ、紫外線とどのようにうまくつきあえばいいのでしょう?
ビタミンDをつくる紫外線と、肌に悪い紫外線は違う
地球に届く紫外線には種類があります。肌老化やシミの原因となるのは「UVA波」、一方でビタミンDの生成に関わるのは「UVB波」のうちの290〜310mmです。
A波とB波では性質が違います。UVA波は一年中降り注ぎ、雲やガラスを通過して肌の奥深くに到達。シワやたるみの原因になる厄介な紫外線です。かたやUVB波はエネルギーが強いものの、肌の表面にしか影響せず、適度に浴びることでビタミンDをつくることができます。
つまり、すべての紫外線を敵視するのではなく、「UVAはしっかりブロック、UVBは適度に浴びる」という考え方が重要なのです。「え、でも結局、紫外線を浴びるってこと?」と思った方、安心してください。紫外線対策をしつつ、上手にビタミンDをつくる方法がちゃんとあります。
日焼け止めは「すべてブロック」じゃなくてOK
「とにかく日焼け止めをガッチリ塗っていれば安心!」と思いがちですが、ビタミンD不足が確定的な女性は、SPF値が高すぎないもの(SPF15~30程度)を選び、短時間の日光浴は日焼け止めなしで過ごすなど、考え方を変えることも必要。
例えば、ランチをテラス席で食べるときや、ちょっとした買い物のときに「5分くらいなら日焼け止めなしでOK」と思うだけでも、違ってきます。
そして、日焼け止めの種類によってはビタミンDの生成を妨げないものもあります。最近では、SPF50+/PA++++の紫外線カット効果を持ちながらも、UVB波を適度に通す「UVBフィルタリング技術」を採用した日焼け止め も登場。
「焼かない肌」と「ビタミンD生成」、どちらもあきらめなくていい時代になってきたのです。
効果的な日光浴のポイント
「日光を浴びる」と言っても、長時間外にいる必要はありません。
●時間帯:午前10時~午後3時の間が理想(特に冬場は重要)
●時間の目安:顔や腕を15~30分程度(地域や季節による)
●屋外での工夫:日陰でも十分なUVB波を浴びることが可能
ちょっとした工夫で、紫外線のダメージを最小限にしながら、ビタミンDをしっかり確保できます。
「とはいえ、やっぱり紫外線を浴びるのは抵抗ある…」という人もいますよね。大丈夫、詳しい日光浴の方法や工夫については、別の記事で紹介していきます!
【まとめ】
■ビタミンD不足と紫外線対策のジレンマ、本機で解決したい
■肌に悪いのは「UVA波」、ビタミンDをつくるのは「UVB波」
■ビタミンDの生成を邪魔しない日焼け止めを選ぶ
■1日15~30分の適度な日光浴が理想
キレイも健康もどちらも手に入れるためには、「紫外線は悪!」と決めつけず、上手に付き合うことが大事です。
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子