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その不調、ビタミンDの「貯金残高」不足かも? 過不足は何で知る?

2025/04/14

その不調、ビタミンDの「貯金残高」不足かも? 過不足は何で知る?

ビタミンDが健康の鍵を握ると聞いても、自分にどれくらい必要なのか、足りているのかどうか、わからないままの人は多いもの。実は体の中には「ビタミンDの貯金」ともいえる目安があり、数値を知ることで今の状態が見えてきます。

その不調、ビタミンDの「貯金残高」不足かも?

ビタミンDの貯金残高を示す「25(OH)D」って?

自分の体に、ビタミンDが十分に足りているかどうかを知るには、血液検査で「25(OH)D(にじゅうご-ヒドロキシビタミンD)」という物質の濃度をチェックするのが一般的です。


25(OH)Dは、日光や食事から取り入れたビタミンDが肝臓で代謝されたもので、いわば体内に蓄積された「ビタミンDのストック量」を示す指標。

ちなみに、ビタミンDには実際に体内で働く「活性型ビタミンD(1,25(OH)₂D)」もありますが、体にどれだけ貯まっているかを知るには25(OH)Dのほうが適切とされています。

足りてる? 足りない? 基準はこの3段階

日本整形外科学会や日本内分泌学会などが示す25(OH)Dの基準値は以下のとおり。
● 20ng/mL未満:明らかな不足・欠乏
● 20〜30ng/mL:不足・または「中程度」
● 30ng/mL以上:充足

ビタミンDの不足・欠乏 血中ビタミンD濃度 25(OH)D 判定基準 厚生労働省・日本骨代謝学会・日本内分泌学会合同の策定

特に骨の健康を守る観点から定められた目安ですが、免疫やメンタルなどの観点からは、もう少し高い数値を目指すこともあります。

「充足」といっても、理想のラインは人それぞれ

一般に「30ng/mL以上で充足」とされますが、健康目的や年齢によって目指したい数値は微妙に変わります。


例えば…
□ 更年期以降の女性や高齢者:骨密度低下のリスクがあるため、40ng/mL前後が理想
□ アレルギー体質や自己免疫トラブルがある人:免疫調整の観点から60ng/mL前後を目安に
□ 妊娠中・授乳中の女性:母体と赤ちゃん両方への影響を考え、40ng/mL以上を目標とする場合も


↑この数値の目安は日本骨粗鬆症学会や内分泌学会の見解に加え、米国内分泌学会やホリック博士らによる論文・ガイドラインなどを参考にしています。

「30ng/mL」は、あくまで「最低ライン」。より良い健康状態を目指すなら、少し高めを意識したいところです。

検査していない人は、こんな生活習慣がヒントになる

「血液検査で測ったことなんてない」という人でも、日常生活の中にヒントはあります。
生活習慣がビタミンDにどう影響するかは、
「あなたのビタミンD、足りてる? 簡単セルフチェック!」の記事で詳しく紹介しています。

セルフチェックの項目はどれも「隠れビタミンD不足」を象徴するもの。 心当たりがある人は、25(OH)D検査を受けてみるのもおすすめです。

【まとめ】

ビタミンDが足りているかどうかは、血液検査によって知ることができます。
■ビタミンDの体内レベルは「25(OH)D」という血中濃度で評価
■一般的な「充足」ラインは30ng/mL以上。ただし年齢や目的によってはもっと高くても!
■自分に必要なレベルは「目的別」に考えていくのがポイント
■検査を受けていない人でも、日常習慣から不足のサインは読み取れる
■気になった人は、まずセルフチェック! 次にビタミンD検査を検討

検査の受け方や検査キットの紹介などは、別の記事でお伝えします。

監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子

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