2025/04/20
どうして25? OHって何? ビタミンDの数値「25(OH)D」のナゾに迫る!
体内のビタミンDレベルを知るカギは「25(OH)D」という指標にあります。でもこれ、パッと見ただけじゃ意味がわかりませんよね。今回は「25(OH)D」の読み解き方と、その数値とのつきあい方をやさしく紹介します。

ビタミンDの血中濃度を測るって、つまりどういうこと?
ビタミンDが足りているかどうかを知るには、血液検査で「血液中のビタミンDの濃度」を調べるのがいちばん確実。
そのとき、検査項目として登場するのが「25(OH)D(にじゅうご ヒドロキシビタミンD)」という少し長い名前の物質です。
この25(OH)Dは、ビタミンDが体内に入ったあと肝臓で代謝されてできる、いわば「中間のカタチ」のビタミンD。体内にどれくらいビタミンDがストックされているかを反映するため、「ビタミンDの貯金残高」とも言える存在です。
25(OH)Dは「バッテリーの残量」を測るようなもの
25(OH)Dは、体内で使えるビタミンDの量を知るための指標。スマホに例えるなら「バッテリーの残量」です。
この残量が足りていないと、体は必要なときにビタミンDを活用できません。
ちなみに、ビタミンDには「1,25(OH)₂D(いちにーご-ヒドロキシビタミンD)」という「活性型ビタミンD」もあります。こちらは「今ついてるライト」のようなもの。
残量がどれだけあるかを知りたいときには、やはり25(OH)Dを測るのが適しています。

25(OH)Dって、なんでこんな名前? 単位もいろいろあるけれど…
血液検査の結果で出てくる「25(OH)D」という表記。数字とアルファベットとカッコと下付き文字…なんだか理科の授業みたいで「なにこれ?」と思った人もいるかも。
じつはこれ、それぞれにちゃんと意味があるのです。
【25(OH)Dの名前のナゾ、ざっくり解説!】
●25:「25番目の炭素の場所に ヒドロキシ基(-OH)がくっついている」という意味
●(OH):「ヒドロキシ基(-OH)」という小さな構造のこと
●D:これはもちろん 「ビタミンD 」を表しています
つまり「25(OH)D」は、「ビタミンDが体内で代謝されて25番目の場所にOHがついた形」という意味です。この25(OH)Dの「濃さ」の数値は、前回の記事で紹介したように、30ng/mL以上が「充足」とされています。

このビタミンDの濃さを表す単位、日本では「ng/mL」が使われますが、海外だと「nmol/L」になることも!
たとえば「30ng/mL」は「75nmol/L」といった感じ。数字は変わりますが中身は同じです。ちょっとケタが違って見えるだけなので、慌てないようにしましょう。
検査はスタートライン。大切なのは「今からどうするか?」
体内のビタミンDの状態を知る方法として、血液中の「25(OH)D」の数値はひとつの指標になります。
ただし、この数値は「今の状態」を切り取ったもの。生活習慣や日光の浴び方、食事などの工夫次第で、今後いくらでも変化させていくことができます。
実際、「欠乏レベル」だった人がサプリメントなどでしっかりビタミンDを補った結果、3カ月後には「充足レベル」にまで改善する例も多数。
つまり、足りていないと気づけたなら、そこからが始まり。検査結果は自分の生活を見直すチャンスとして、前向きに活かしていくのが賢明です。
【まとめ】
■ ビタミンDの血中濃度を示す指標が「25(OH)D」
■ 貯金残高=25(OH)D、今ついてるライト=1,25(OH)₂D
■ 25(OH)Dはスマホで例えるなら「バッテリーの残量」のような存在
充足の目安は30ng/mL以上(=約75nmol/L)。数字が低ければ欠乏や不足状態です。体調やライフステージによっても判断基準が変わるので、自分の今の数値を知って、ビタミンDとのつきあい方を考えてみましょう。
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子