2025/03/20
ビタミンD、「実はホルモン」説。 そのナゾに迫る!
「ビタミンDはホルモンです」――そう言われたらちょっとびっくりしませんか? ビタミンという名前がついているのにホルモンでもあるなんて、どういうこと?! そもそもビタミンとホルモンの違いって何でしょう? ビタミンDが持つ“二つの顔”を見てみましょう。

ビタミンDはビタミンか、それともホルモンか?
「ビタミンD」という名前がついているから、ビタミンの一種であることは間違いありません。
でも、体の中での働きを見ると、まるでホルモンのような動きをすることがわかっています。この二面性こそがビタミンDの面白いところです。
そもそもビタミンって何?
ビタミンとは、本来「体内で作ることができないから、食べ物から摂取しなければならない栄養素」のこと。でもビタミンDはちょっと例外。
日光を浴びると”皮膚”で合成されるため「食事で摂らなくてもいいのでは?」という意見もあります。実際には食事やサプリメントからの補給も大切なのですが、他のビタミンとはちょっと違う存在です。
じゃあ、ホルモンって何?
ホルモンとは、体内でつくられ血液を通じてさまざまな臓器に働きかける化学物質のこと。たとえば、インスリンは血糖値を下げるホルモン、エストロゲンは女性ホルモン。
実はビタミンDも体内で活性型になると、まさにホルモンのように働きます。腸でカルシウムの吸収を促したり骨を丈夫にしたり、免疫にも関わったり…その働きっぷりは、まさにホルモンそのものです。
実は専門家の間では「ホルモン派」も多い
「ビタミンDはビタミンではなく、ホルモンと呼ぶべき」という意見を持つ専門家もいます。たしかに体内で合成され、他の臓器に作用する点はホルモン的。
でも一方で、食事やサプリから摂取しないと不足しやすい点はビタミンらしい。この二面性こそがビタミンDの特徴なのです。
【まとめ】
■ビタミンDには、ビタミンとホルモン、二つの顔がある
■ビタミンDは日光を浴びて皮膚でつくられるが、食事やサプリからも補給が必要
■体内ではホルモンのようにさまざまな働きをする
■ 専門家の中には「ビタミンDはホルモンだ」という意見も
ビタミンなのにホルモンっぽい、その働きを知ると、ますます興味が湧いてきます。
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子