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ビタミンDとインプラント部位の骨レベル

2025/06/29

ビタミンDとインプラント部位の骨レベル

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ビタミンDレベルを考慮したインプラント治療計画に関する研究が少ないことから、ポーランドのJakub Kwiatek氏らが前向きランダム化対照臨床試験を実施した結果、血中ビタミンD濃度が適正に保たれている人では、インプラント手術後のインプラント周囲の骨レベルが高くなることが明らかとなっています。

【試験の方法】

インプラント手術に適格と判断された122人を対象とし、血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール*濃度が適正よりも低く術後にビタミンD投与を受けなかった集団(A群)、血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が適正よりも低く術後にビタミンD投与を受けた集団(B群)、血清25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が適正な集団(C群)のいずれかに割り付けた。手術当日、6 週間後、12 週間後に臨床検査および X 線検査を実施し、インプラント近傍の骨レベルはラジオビジオグラフィー(RVG)によって測定した。

【結論】

インプラント手術当日、6週間後、12週間後にインプラント周囲の骨レベルを測定した結果、B群とC群の12週間後の骨レベルは6週間後よりも有意に高く、B群の骨レベルはA群より有意に高かった。これにより、手術当日の 25-ヒドロキシコレカルシフェロール濃度が高いほど、術後 6 週間後および 12 週間後のインプラント周囲の骨レベルが高いことが示された。

研究者たちは、25-ヒドロキシコレカルシフェロールが「インプラント部位の骨組織の成長を刺激する潜在的な因子である可能性がある」と述べています。

*25-ヒドロキシコレカルシフェロール:ビタミンDが肝臓で代謝されて生じる物質で、体内のビタミンDレベルを知るための指標として用いられる。

■論文情報
Vitamin D Supplementation for Premenstrual Syndrome-Related inflammation_and_antioxidant markers in students with vitamin D deficient: a randomized clinical trial

■掲載誌:J Clin Med. 2021 Feb; 10(3): 526.
■掲載日:2021年2月2日
DOI:10.3390/jcm10030526

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