2025/06/19
ビタミンDの単位、どう読む? IUとµgの違いをすっきり整理!
ビタミンDのサプリや論文を見ていると、「IU(アイユー)」「µg(マイクログラム)」という2種類の単位が出てきます。統一されていず、わかりにくいな〜と思う人も多いはず。今回は、この単位の違いと換算方法のモヤモヤを解消します!

IUとµg、なぜ2種類あるのでしょう?
たとえば、厚労省の「日本人の食事摂取基準」では、ビタミンDの1日あたりの目安量は9.0µg、耐容上限量は100µgと示されています。
ところが、海外の文献やサプリメントを見ると、「IU(国際単位)」という、見慣れない単位で書かれていたりして、「えっ? IUって何? µgじゃなかったの?」と混乱した経験、ありませんか?
実はビタミンDの単位は、2種類あります。
ひとつはIU(アイユー)。
「どれくらい効くか」という“効き目”を基準にした単位で、サプリや海外の情報でよく使われています。
もうひとつはµg(マイクログラム)。
「どのくらいの量が入っているか」という“重さ”の単位で、日本の栄養表示などはこちらが主流。
どちらも正しい単位ですが、初めて見ると「え、どっちを信じれば?」と戸惑う人も。
この2つの違いや換算の仕方を整理してみましょう。
■ IU(アイユー/International Unit)
サプリや海外情報で多用される、“効きめ”の単位
IUとは「国際単位(International Unit)」の略。
ビタミンやホルモン、酵素、薬物などの「生理的な活性(=どれくらい効くか)」をもとに決められる単位です。
ビタミンDをはじめ、A・E・Kなどの脂溶性ビタミンにも使われます。
サプリメントや医学論文、海外製品の表示に登場するのは「IU」のほうです。
ビタミンDサプリはまだ海外製品のほうが圧倒的に多く、含有量はIUで表示されていることがほとんど。
■ µg(マイクログラム)
日本の食品表示で使われる、“重さ”の単位
日本では、食品(サプリも食品です)に含まれる栄養素は「どれくらいの“重さ”が入っているか」で表示するルールがあり、ビタミンDの場合は「µg(マイクログラム)」という単位が使われます。
日本製品パッケージの裏にある「栄養成分表示」や、日本のガイドラインはすべてµgです。
1µgは、1gの100万分の1。
ビタミンDはそれくらい“微量”でもしっかり働く、パワフルなビタミン。
ちなみに、よく使われる「mg(ミリグラム)」は、1gの1000分の1。
つまり、1mg = 1000µg です!
同じ「g(グラム)」でも、mgとµgでは1000倍の差があるので、サプリや成分表を見るときは「単位の桁違い」にご注意を。

■ IUとµgの換算方法(ビタミンDの場合)
1µg=40IU、覚え方のコツも!
ふたつの単位はどちらも正しいのですが、違う単位なので比べるには“換算”が必要です。
✅ 1µg = 40IU
✅ 1000IU = 25µg
以下の換算式で変換できます。

「1µg=40IU」と言われてもピンとこない…という人は…
1000IU=25µg
25µg=1000IU
これだけ覚えておくのも手です。
例えば、「日本人の食事摂取基準 2025年版」によるビタミンD。
摂取の目安量は、1日あたり9.0µg
IUに換算すると:9.0µg ×40=360IU
耐容上限量は、1日あたり100µg
IUに換算すると:100µg×40=4000IU
さらに、サプリメントの配合量。
「1カプセルにビタミンD3を2000IU配合」と書いてあったら…?
はい、2000IU×0.025=50µg ですね。
そもそも、1000IU=25µg と覚えていればこれは簡単です!
計算が面倒な人は、自動換算サイトに数字を打ち込んで調べちゃえばいいのです。
なお、IUとµgの換算式は栄養素ごとに異なります。ビタミンDの場合は「1µg=40IU」ですが、ビタミンEやAなどでは、別の換算式に。
これは、それぞれの栄養素で「どれくらいの量でどれくらいの生理作用(効き目)があるか」が異なるため。
IUは“量”ではなく“効果”を基準にした単位なので、同じµgでも栄養素によってIUはバラバラなのです。
【まとめ】
■IUは“効きめ”の単位(国際単位)、µgは“重さ”の単位(日本の栄養表示)
■ビタミンDは、1µgが40IUに相当する。「1µg=40IU」
■「1000IU=25µg」と覚えるとカンタン
■どちらの単位にも慣れておくと製品選びがスムーズ!
どっちが正しい?と悩むより、両方を読みこなせる自分にアップデートを!
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子