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ビタミンDをちゃんと知るなら、まずこの用語!< 保存版用語解説>

2025/07/01

ビタミンDをちゃんと知るなら、まずこの用語!< 保存版用語解説>

「ビタミンDのことを深掘りするとよくわからなくなる…」。そんな声の原因は、実は「あの言葉たち」かもしれません。25(OH)D、ng/mL、目安量、耐容上限量──。ちょっと見慣れないワードの意味を、今こそやさしく整理します。

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意味がわかれば怖くない、ビタミンD用語のモヤモヤを整理!

ビタミンDについて深く知ろうとすると、ぶつかるのが「専門用語の壁」。

25(OH)Dや1,25(OH)₂Dといった化学名のような表記、ng/mLなどの単位、はたまた「目安量」「推奨量」「耐容上限量」などの摂取基準もややこしい。D2?D3? 活性型って何?

でも大丈夫。意味と背景を押さえれば意外とすんなり理解できます。今回はそれぞれの用語を短く・やさしく・要点だけで解説していきます。

■ 25(OH)D(にーごーオーエイチディー)
血中濃度で測られる「ビタミンDの蓄え」

体内の「ビタミンDのストック量」を示す指標。血液検査で測るのはこの25(OH)Dの数値で、単位はng/mL。
ビタミンDが肝臓で最初に変換された形で、たとえるなら「体内のビタミンDの貯金残高」です。

この名前には意味があって…
●25:「25番目の炭素の場所に ヒドロキシ基(-OH)がくっついている」という意味
●(OH):「ヒドロキシ基(-OH)」という小さな構造のこと
●D:これはもちろん 「ビタミンD 」を表しています
つまり「25(OH)D」は、「ビタミンDが体内で代謝されて25番目の場所にOHがついた形」という意味です。

【別表記が多いので注意!】
25(OH)Dのほか、25-OH-D、25ヒドロキシビタミンD、25-OHビタミンD、25(OH) Vitamin D、25OHD3、血清25(OH)D濃度…など、実はすべて同じ意味。2025年現在、まだ統一されていないのが現状です。

■ 1,25(OH)₂D(いちにーごーオーエイチにーでぃー)
体内で“今”使われているビタミンD

腎臓で活性化された、いわゆる活性型ビタミンD。たとえるなら「今ついてるライト」のような存在です。実際に骨や免疫に働きますが、検査で測るのは基本的に25(OH)D。残量を知るには25(OH)Dの方が適しているからです。

■ ng/mL(ナノグラム・パー・ミリリットル)
検査値に出てくる血中濃度の単位

血液1mL中に何ナノグラムの物質があるかを示す単位。ビタミンDでは「血中濃度の25(OH)Dが何ng/mLか」でビタミンDが充足しているか否かを判断します。

*nmol/L(ナノモル/リットル)との換算も覚えておきましょう。
1ng/mL ≒ 2.5nmol/L(欧米の文献で出てくることも)

ビタミンD血中濃度 ビタミンD不足欠乏 ビタミンD判定基準 25(OH)D

■ 日本人の食事摂取基準
国が定めた「どれくらい摂るべき?」のガイドライン

日本の厚生労働省が公表しているもので、「日本人の食事摂取基準」の名前通り、日本人が食事からどのくらいエネルギーや栄養素を摂ったらいいかを示した基準です。5年ごとに改定され、最新版は2025年版。

■ 目安量/耐容上限量/推奨量/目標量
摂取基準の用語、ざっくり理解!

「日本人の食事摂取基準」に出てくる摂取量は、栄養素によって表示される量が異なります。ビタミンDに関しては「目安量」と「耐容上限量」の2つが設定されています。

◎目安量:健康な人の平均的な摂取量を参考にした数値。(ビタミンDで設定あり)
◎耐容上限量:健康被害が出ないとされる上限ライン。(ビタミンDで設定あり)
◎推奨量:確実な科学的根拠があるときに設定(ビタミンDには未設定)
◎目標量:生活習慣病予防などの観点から設定(ビタミンDには未設定)
*耐容上限量の定義は「健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限」です。

■ 活性型ビタミンD
「効く」けれど、サプリでは摂らないもの

活性型ビタミンDとは「1,25(OH)₂D」の別名で、体内で腎臓が変換した最終的に働く形のビタミンD。医薬品として処方されることはありますが、一般的なサプリメントではこの形ではありません。

なぜなら、活性型は効きすぎるリスクもあるため、前駆体(非活性型)として体に取り入れ、必要な分だけ体内で変換される仕組みになっています。

サプリメントのビタミンDは不活性型、医薬品のビタミンDは活性型くらいは覚えておくといいでしょう。

■ 脂溶性ビタミンD
油に溶けるタイプのビタミン、摂りすぎ注意?

ビタミンDは油に溶ける「脂溶性ビタミン」。水溶性ビタミンのように、余分がすぐ排出されるわけではないため、蓄積されやすいのが特徴です。ただし、耐容上限量(100µg/日、=4000IU/日)以内であれば心配ありません。

■ ビタミンD3/D2
体内で使われるのはD3がメイン!

【ビタミンD3(コレカルシフェロール)】
魚や卵など動物性のビタミンD、または日光で合成される「ヒトの体に合った」ビタミンD。サプリメントもD3が主流。

【ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)】
主にきのこ類に含まれる植物由来のビタミンD。体内での働きはD3よりも弱いとわれ、サプリメントにおいては、D2よりD3が好まれる傾向にあります。

【まとめ】

■ビタミンDの血中濃度を見るのは「25(OH)D」。単位はng/mL
■「日本人の摂取基準」、ビタミンDに関しては「目安量」と「耐容上限量」の2つだけ
■ビタミンDは脂溶性。摂りすぎに注意しつつ、不足のほうが深刻!
■サプリはビタミンD3が基本。まずは食品や日光からD3をチャージ!

監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子

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