2025/03/20
花粉症対策にビタミンD! 科学が証明するその効果
「花粉症にはビタミンDがいいらしい」と、聞いたことがありますか? 実は、ビタミンDと花粉症の関係は以前から検証されていたのです。日本での先駆者は、「D活サポーター」でもある医師の斎藤糧三先生。既に2012年に出版した『サーファーに花粉症はいない』(小学館)で、ビタミンDとアレルギーの関係を詳しく解説していました。

斎藤医師の経験から学ぶ、花粉症の解決策としてのビタミンD
ビタミンDの作用と言えば骨の健康ばかりがクローズアップされていた中、ビタミンDには免疫を正常に働かせる機能がある。この点に気づいたのが、医師の斎藤糧三先生でした。
2007年、アメリカの機能性医学学会で「ビタミンDが免疫機能に影響を与える」という研究に触れた際、「もしかすると、花粉症もビタミンD不足が原因では?」と考えました。
そこで、花粉症に悩む人たちにビタミンDを摂取してもらったところ、わずか1時間で症状が軽減する人が続出! これが、斎藤先生がビタミンDをライフワークの1つとするきかっけでした。
実験が証明! ビタミンDがアレルギー症状を和らげる
ビタミンDと花粉症の関係を裏付ける研究データは、その頃から続々と発表されました。
2012年に斎藤先生が出版した『サーファーに花粉症はいない』(小学館)では、ビタミンD不足を改善することがそのままアレルギー性鼻炎の予防、症状の軽減につながることを説いています。
4年前に放送されたテレビ番組『林先生の初耳学』では、斎藤先生監修でビタミンDと花粉症の関係を検証する実験が行われました。
花粉症の参加者全員のビタミンD濃度を測定し、日焼けサロンで紫外線を浴びてビタミンDを増やす実験を実施。2週間で全員の症状が改善するという結果が出たのです。
ビタミンDがなぜ花粉症の症状を軽減する?
そもそも花粉症(花粉アレルギー)は、本来無害な花粉を体が間違えて敵と誤認し、過剰な免疫反応を起こしてしまうことで起こります。
ビタミンDはこの免疫の暴走を抑え、正常な働きを取り戻すサポートをすることが研究で明らかになっています。
ビタミンDは、免疫システムのバランスを整える働きを持っています。
免疫細胞の中には炎症を起こす「Th2細胞」と、炎症を抑える「制御性T細胞(Treg)」がありますが、花粉症ではTh2細胞が活発になりすぎることで、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症が出現!
ビタミンDは制御性T細胞の働きを強め、Th2細胞の暴走を抑えることでアレルギー症状を和らげてくれます。
また、ビタミンDには粘膜のバリア機能を強化する作用もあるため、花粉の侵入を防ぎやすくします。
つまり、ビタミンDを十分に摂取することで、花粉症の症状が軽減されることが期待できるのです。
【まとめ】
■ビタミンDは免疫機能を正常化する=花粉症の症状を軽減する可能性
■研究や実験でビタミンDがアレルギー症状に影響を与えることが確認されている
■症状改善のためには、日光浴・食事・サプリを活用してD活!
「花粉症の薬に頼りたくない…」という方は試してみる価値ありです。ビタミンDをどれくらい摂れば効果が期待できるのか、具体的な摂取量については別の記事でご紹介していきます。
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子