2025/05/29
1日にどれくらい必要? ビタミンDの“理想の摂取量”を考える
ビタミンDが不足しがちなのはわかった。血中濃度で不足や欠乏を判断することもわかった。「じゃあ具体的に、どれくらい摂ればいいの?」 というお話です。今回は「摂取量」にフォーカス。D活らしい目線でゆるっと整理してみます。

国の基準は「9.0µg」だけど、これ“日光を浴びている”前提ですから〜
ビタミンDの1日の摂取目安量としてよく登場するのが、厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」。
年齢や性別ごとに、欠乏症を防ぐために必要な【推定必要量】【推奨量】【目安量】【耐容上限量】【目標量】などが、栄養素ごとに定められています。
ただし、ビタミンDに関しては必要量や目標基準がなく【目安量】と【耐容上限量】のみ!
日本人の食事摂取基準2025年版では、
成人のビタミンDの目安量は…
1日あたり9.0µg(360IU)
耐容上限量は1日あたり100µg(4000IU)
ちなみに、これまでのビタミンD変遷を見てみると・・・
→ 2010年:5.5µg
→ 2015年:5.5µg
→ 2020年:8.5µg
→ 2025年:9.0µg(現在)
ビタミンDの重要性がクローズアップされつつあり、じわっと増えていますが、まだまだ「最低ライン」の水準。
しかもこの数字、実は「日常的に日光に当たっている人なら、9.0µgくらいで十分でしょう」という想定のもとで決められているって、知ってますか?
屋外で過ごす時間が長い・紫外線をしっかりガードしている・シニア世代…となれば、まったく足りていない可能性も高いわけです。

でも、それで足りてる? 世界の専門家はこう考える!
ビタミンD研究の第一人者「ドクター・ビタミンD」ことアメリカのホリック博士(Dr. Michael F. Holick)によれば…
血中ビタミンD濃度を40〜60ng/mLに保つことが、健康を守るための理想的な状態。
そのために必要な摂取量として…
1日の目安量は、
50〜75µg(2000〜3000IU)
を提唱。骨の健康はもちろん、がんや自己免疫疾患、心疾患の予防などふまえた“最適濃度のキープ”を前提とした数字です。
*参考:Holick MF. “Vitamin D and Health: Evolution, Biologic Functions, and Recommended Dietary Intakes.” In: Holick MF, ed. Vitamin D: Volume 2 – Health, Disease and Therapeutics. 4th ed. Academic Press; 2023.
「D活®」の推奨量は1日100µg(4000IU)!
D活サポーターであり、「ビタミンDの基礎知識」コーナー監修の斎藤糧三医師は、臨床の現場で数多くの患者さんの血中ビタミンD濃度をチェックしてきた一人。
その経験から、「現代人はもっと意識的にビタミンDをとるべき」と提唱しています。
1日あたりの摂取量の目安は、ずばり!
100µg(4000IU)
日本人の食事摂取基準で【耐容上限量】としている数字です。
100µg(4000IU)を摂れば、血中濃度が充足レベルの50ng/mLを超える。
すると身体全体の恒常性(ホメオスタシス)や免疫のバランスが整いやすくなる。
病気になりにくく、花粉症などアレルギー症状の軽減も期待できる。
としています。
ただ、これはサプリメントなどを活用した上での数字。
まずは今の自分の状態を知り、目指すゴールに合わせて「ちょうどいい摂取量」を考えるのがD活的スタイルです。
【まとめ】
■日本のビタミンD摂取目安は9.0µg(340IU)で「とりあえず」レベル
■「ドクター・ビタミンD」ら世界の基準はは37.5〜50µg(1500〜2000IU)
■D活では100µg(4000IU)をひとつの目安に!
そして今回、ビタミンDの単位がわかりにくいと思った人はいませんか?
次は、ビタミンDにまつわる難解な用語をまとめて解説します!
監修/医師 斎藤糧三(日本機能性医学研究所/斎藤クリニック)
取材・文/蓮見則子