2026/04/07
【D活サポーターに聞く】整形外科医 道家孝幸さん Part3●ビタミンDをどう取り入れる? 現場での“リアルな選び方”
「診療の中で、多くの人がビタミンD不足だと感じる」と話す、Do-Clinic院長の道家さん。では実際に、どう補えばいいのか。日光、食事、サプリメントと選択肢はありますが、現実には悩ましい点も…。紫外線対策とのバランスも含めて、現場での考え方を紐解きます。

日光・食事・サプリ、どれも欠かせないビタミンD
—— ビタミンDは、日常的にはどのように取り入れるのが現実的でしょうか?
ビタミンDを増やす基本は日光、食事、サプリメントの3つです。
他のビタミンと違って、ビタミンDは日光に当たることで皮膚でつくられる特徴があります。
ただ実際には、紫外線をガードしていることがほとんどなので、日光にしっかり当たっている方は多くありません。
だからといってビタミンDを含む食材は限られているので、食事だけで十分に補うのもけっこう難しい。足りない分はサプリで補うことになります。
—— 食事からのビタミンD摂取について、どんな指導をされていますか?
管理栄養士とも話しますが、食事だけで十分に摂れているケースは多くないと思います。
北海道だと鮭を食べる機会が多いので、他の地域よりは不足しないはずですが(*1)、必要なビタミンD量を考えると、食事だけでいいとは言いにくい。あくまで摂取する一つの手段として考えたほうがいいかもしれません。
日光、食事、サプリと、その方の不足状況に応じて組み合わせていくのが理想です。
*1:鮭はビタミンDを多く含む食材のひとつです。▶詳しくはこの記事で

—— サプリメントについては、どのように考えていますか?
特別なものというよりは、市販のものでいいと思っています。
継続できることのほうが大事なので、手に入りやすいものを使うほうが現実的です。
紫外線は避けたい。でも日光は必要——その狭間で
—— 日光と紫外線のバランスは悩ましいですね。
そうですね。特に女性の患者さんは「紫外線は悪いもの」とばかりに、できるだけ避けたいという方がほとんどです。
—— その中で、どのようにビタミンDを増やすを提案していますか?
当院では、ビタミンDの生成を妨げにくい日焼け止めとして「ソーラーD」を扱っています。
スタッフから患者さんにご案内することも多いです。女性スタッフ自身も使っていると思いますよ。
—— クリニック全体で取り組んでいるんですね。
そうです。「ソーラーD」は学会で知ったのがきっかけですが、こんな日焼け止めがあるならば!と販売することにしました。
「紫外線はガードしたいがビタミンDは増やしたい」という女性の患者さんのニーズに、ぴったり合っていると感じます。

—— 先生ご自身はどうされていますか?
自分は日焼け止めは使っていません。できるだけ日光に当たりたい、という考えです。男性ですからね。
ビタミンDの過不足は「測って初めてわかる」
—— 最近は自分で少しだけ血液を採ってできる、ビタミンDの検査キットなども出てきています。
とてもよいことだと思います。
どのくらいビタミンDが足りていないのかを数値で見ることで、どの方法でどのくらい補うことが必要か、判断しやすくなります。
—— 先生ご自身も測定されたことはありますか?
採血したことがあります。
以前測ったときは30ng/mLに少し届かないくらい(*2)。つまりビタミンD不足でした(笑)。
*1:ビタミンD充足の目安は血中濃度25(OH)Dで30ng/mL以上とされています(日本整形外科学会・日本内分泌学会など)▶詳しくはこの記事で
—— その結果をどう受け止めましたか?
特別に何かしているわけではないので、やはりそのくらいなんだなという印象でした。日光には当たっているつもりですが、不足してますね。
今後はもう少し意識していく必要があると思っています。
「ビタミンDを知ること」から始まる健康寿命
—— 最後に。ビタミンDについて、一番伝えたいことは?
まずは「自分を含めて、ビタミンDが足りていない人が多い」という事実を知ることだと思います。
ビタミンDが大事だということを知って、どうやって補うかまで理解してもらいたい。
—— それが結果的に予防につながると。
そうですね。ビタミンDの認知が広がれば、自ずと骨粗しょう症の予防、骨折予防につながっていきます。
医師や栄養士が介入しなくても、自分で管理できる状態が理想です。
そうした積み重ねが、結果として健康寿命を延ばすことにつながると思います。
■ PROFILE ■
道家 孝幸(どうけ たかゆき)
整形外科医/Do-Clinic院長/日本整形外科学会専門医/日本骨粗鬆症学会認定医/日本体育協会公認スポーツドクター
愛知県生まれ、北海道育ち。札幌医科大学医学部卒業後、整形外科医として臨床経験を積み、肩関節を専門に診療。大学院では骨代謝を研究し学位を取得。2019年にDo-Clinicを開院。理学療法士と連携し、「運動機能の改善」を軸としたリハビリテーション診療を展開。一般整形外科、スポーツ障害、骨粗鬆症の検診・予防まで幅広く対応し、健康寿命の延伸を見据えた医療を実践中。
取材・文/蓮見則子


