2026/07/16
【D活サポーターに聞く】管理栄養士・料理研究家 麻生れいみさん Part1● ビタミンDを見る目が変わった日
糖質制限やケトジェニックダイエットの分野で活躍し、書籍の累計発行部数は120万部を超える管理栄養士・料理研究家の麻生れいみさん。がん患者さんへの栄養指導もライフワークのひとつです。そんな麻生さんが、ビタミンDを意識するようになったきっかけは何だったのでしょうか。日々多くの方と向き合う中で見えてきた、「ビタミンD不足のリアル」について伺いました。

がん患者との出会いが、ビタミンDを見る目を変えた
──今はどんなお仕事が中心ですか?
書籍の執筆や、メディアの監修・出演が中心ですね。
一方で、12年以上続けている、がん患者さんへの栄養指導は今では私のライフワークです。
──がん患者さんとは、どんな形で関わっているのですか?
以前、書籍も出しているのですが、医師と臨床の現場で「ケトン食」指導を担当しています。
特にステージ4の患者さんと向き合う機会が多く、食事や栄養の力で少しでも生活の質を高められるように、ご本人やご家族をサポートしています。
私自身、本当にたくさんのことを学ばせていただいていると思います。

──栄養指導で一番大切にしていることは?
「楽しく、おいしく、無理なく続けること」です。
どんなに理論的に正しい食事でも、続かなければ意味がないですもんね。
食事は人生の楽しみでもありますから、その方の生活に寄り添いながら、続けられる方法を一緒に考えることを大切にしています。
──ビタミンDを意識するようになったきっかけは?
これも、がん患者さんを診るようになったことですね。
実際に栄養指導をしていると、ビタミンD不足の方が本当に多いんです。
「がんが先なのかな、ビタミンD不足が先なのかな…」と考えるようになり、研究論文を読むうちにビタミンD不足とさまざまな疾患との関連が、数多く報告されていることを知りました。
「これはちゃんと勉強しなきゃ!」と思って、そこからビタミンDに強い関心を持つようになったんです。
「普通に生活していれば不足しない」と思っていた
──管理栄養士として仕事を始めた頃から、ビタミンDは重視していましたか?
正直、ほとんど意識していませんでした。
皮膚で作られる栄養素だし、普通に生活しているなら不足しないだろうと思っていたんです。
──ビタミンDの重要性を実感した印象的な出来事は?
ビタミンDの血中濃度を調べる血液検査。患者さんだけでなく、自分自身もです。
測定してみたら、私は14ng/mLしかなかった。
これ、欠乏レベルですよ!
ビタミンDが摂れる魚は食べているし、「自分は大丈夫」と思っていたので本当にショック。
実際に測ってみないと分からないんだわ、と実感しました。
──食事内容を聞くだけで、「この方、足りてないかも」って、分かります?
食事だけでは分かりません。
日光にどれくらい当たっているか、運動習慣はあるかなど、生活スタイル全体を聞くようにしていますね。
「骨のため」だけではない、ビタミンD
──昔と今で、ビタミンDに対する考え方は変わりました?
変わりましたね。私もですけど、この数年で世の中はずいぶん変わったと思います。
骨の健康だけでなく、ビタミンDのさまざまな働きについて研究も進み、ビタミンDへの見方そのものが変わってきましたよね。
実は、7年ほど前にビタミンDを配合したオイルを販売したことがあったんですよ。

当時は今ほど関心が高くなく、画期的なオイルだったんですけど、世の中の反応も比較的薄かった印象です。
ところが、その後コロナ禍を経て、免疫や健康維持への関心が高まり、ビタミンDに注目が集まるようになったんですよね、皮肉なことに。
──ビタミンDについて学び始めた頃、何か印象に残っていることは?
「コレカルシフェロール」とか「エルゴカルシフェロール」とか、呪文みたいな名前だなと思いました(笑)。
それが、まさかこんなに大事な栄養素だと思うようになるとは想像していませんでした。
読んだ本でとても印象に残っているのが、斎藤糧三医師の「サーファーに花粉症はいない 」です。
読まずにはいられない、引きの強いタイトル(笑)。太陽光と健康の関係を考えるきっかけになりました。

──今も、ビタミンDに惹かていますか?
はい。そうですね。
すべての細胞にはビタミンD受容体があること、その受容体が遺伝子発現をコントロールしているということ!
私はこの話を聞いた時、本当にしびれました。
「栄養素がここまで全身の働きに関わっているんだ!」と驚きましたね。
次回は…
管理栄養士として数多くの方を見てきた麻生さん。女性の健康や食生活、サプリメントの活用など、現場で感じる「ビタミンD不足のリアル」についてお話をうかがいます。
■ PROFILE ■
麻生 れいみ(あそう れいみ)
管理栄養士・料理研究家・医療栄養学修士。東京医療保健大学大学院医療栄養学研究科修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス&テクノロジー共同研究機構メンバー。全国アスリート臨床栄養協会 理事、日本健康食栄協会 代表、Nourish Lab主宰。
書籍の執筆やメディア監修・出演のほか、12年以上にわたり、がん患者への栄養指導にも携わる。医療と予防医学を食の面から支える活動を続け、ケトジェニックや糖質制限をはじめとする食事指導・栄養療法にも精通。著書の累計発行部数は120万部を超え、『作りおきでやせぐせがつく糖質オフバイブル』(主婦の友社)、『免疫栄養ケトン食でがんに勝つレシピ』(光文社)など著書多数。
▶公式サイト
取材・文・人物撮影/蓮見 則子


